アティマクの解いた演習問題メモ

気まぐれで増えていきます

 

1章

1

十分大きなnをとると(1-x)(1+x^2)…(1+x^(2^n))が逆元になる

(m+x)*(1/m)=(1+x/m) これが単元になるから元も単元

 

4

aを冪零元とすると任意のb∈A[x]に対し-abは冪零元だから1-abは単元で命題1.9よりaはジャコブソン根基に含まれる

aをジャコブソン根基の元とすると1-axは単元(不定元のxを用いた)となり2-iからaの係数は全て冪零元で、2-iiからaは冪零元

 

6

4と同様に冪零元はジャコブソン根基に含まれる

ジャコブソン根基が冪零元根基に含まれないと仮定するとある0でない冪等元eが存在しeはジャコブソン根基に含まれるので命題1.9より1-eは単元

1-eの逆元をyとすると(1-e)y=1

両辺にeを掛けて0=eとなるので矛盾

 

7

イデアルpに含まれない元をxとする

x(x^(n-1)-1)=0よりx^(n-1)-1はpに含まれる

よってxはA/p上で逆元x^(n-2)をもつのでA/pは体

 

8

定理1.3の証明とほぼ同様

 

9

左から右は命題1.14より明らか

右から左

x∈r(a),x^n∈aとする

x^n=x*x^(n-1)なので仮定からxまたはx^(n-1)はaに含まれる(共通集合となっているすべての素イデアルについて考えればよい)

これを繰り返せばxがaに含まれることが示される

2章

1

mとnは互いに素だからℤ/nℤ上でmの逆元が存在する

よって任意の元についてx⊗y = mx⊗y/m = 0⊗y/m = 0

4章

2

a=∩q  (最短準素分解とする)

r(a)=r(∩q)=∩r(q)=∩p

なのでa=∩p

piに包含関係があった場合最短準素分解の条件(ii)をみたすように何個かpiを抜いて最短準素分解を構成しなおせるので第1一意性定理に違反

よってpに包含関係はなくすべての元が極小元

 

5章 

29

BをAを含むKの部分環とする

S={x∈A;x^(-1)∈B}とするとSは積閉集合

S^(-1)A⊂Bは自明

Aは付値環だから∀x∈Bに対しx∈Aまたはx^(-1)∈A

x∈Aならx∈S^(-1)A

x^(-1)∈Aならx^(-1)∈Sだからx∈S^(-1)A

よってB⊂S^(-1)Aも成り立つ

B=S^(-1)Aであり、28-⑵からAはただ一つの極大イデアルを持つのでB=S^(-1)Aもただ一つの極大イデアルを持ちBはAを局所化したものである

補足

S'をSの飽和集合とすると3章演習7からS'はBに含まれる

x∈B-S',y∈Bとするとxy∉S'よりxy∈B-S'なのでB-S'はイデアル

B-S'はBのSと共通部分を持たない素イデアルの和集合なので(3章演習7)、Bのただ一つ極大イデアルも含み、Bの極大イデアルそのもの

よってBはAをイデアルB-S'で局所化した局所環(Aは付置環なのでB-S'⊂B-S⊂A)

30

Aは付値環だからxy^(-1)またはyx^(-1)∈Aより全順序を定義でき、またωの代表元z∈Kによりxy^(-1)∈Aのとき、xz(yz)^(-1)=xy^(-1)∈Aなので、ξ⩾ηならばξω⩾ηωとなる。

v(x)⩾v(y)として一般性は失われない

xy^(-1)∈Aなので(x+y)y^(-1)=xy^(-1)+1∈Aよりv(x+y)⩾v(y)となり成り立った。

31

⑴から

v(xx^(-1))=v(x)+v(x^(-1))

v(1)=0=v(x)+v(x^(-1))なので

v(x)⩽0とすると

v(x)+v(x^(-1))⩽v(x^(-1))

0⩽v(x^(-1))

よってv(x)⩾0またはv(x^(-1))⩾0

集合をAとしてx,y∈Aのとき

v(1・1)=v(1)+v(1)よりv(1)=0⩾0

v(xy)=v(x)+v(y)⩾0

v(x+y)⩾min(v(x),v(y))⩾0

より和と積で閉じているのでAは付値環

32

v(A-p)の適当な元αを取りその代表元をx∈A-pとする。

このとき∀β(0⩽β⩽α)に対しその代表元をy∈Aとするとxy^-1∈A

y∈pだとすると(xy^-1)y=x∈pなので矛盾

したがってy∈A-pよりβ∈v(A-p)

イデアルp,qはAの単元を含まず、さらにKer(v)はAの単元となるから、p≠qならv(p)≠v(q)よって単射

Γ⩾0,Δ⩾0をそれぞれΓ',Δ'とする

p={x∈A;v(x)∈Γ'-Δ'}とする

x∈p,y∈A-pについてv(x)∈Γ'-Δ',v(y)∈Γ'なのでv(x)+v(y)⩾v(x)なのでv(x)+,v(y)∈Γ'-Δ'よってxy∈p

x∈p,y∈pについてv(x),v(y)∈Γ'-Δ'、v(x+y)⩾min(v(x),v(y))∈Γ'-Δ'よりv(x+y)∈Γ'-Δ'よってx+y∈p

したがってpはイデアル

x,y∈A-pについてv(x),v(y)∈Δ'でありv(x)+v(y)∈Δ'(Δは部分群でありv(x),v(y)⩾0なので)だからxy∈A-pとなるのでΓ'-Δ'に対応するイデアルpは素イデアルとなる。よって全射

 

33

a,b∈Aとしab=0となるとする。kが体だから最高次数をmax、最低次数をminとしてmax(a)+max(b)=max(ab)、min(a)+min(b)=min(ab)

ab=0だからmax(ab)=min(ab)=0

よってmax(a)=min(a)=max(b)=min(b)=0

よりa,b∈k

したがってa=b=0

ゆえにAは整域

u=∑λi xai

u'=∑λ'i xa'i

とすると

⑴v0(uu')=v0( (∑λi xai)(∑λ'i xa'i) )=a1+a'1=v0(u)+v0(u') (体なので係数の積は非零)

⑵v0(uu')=v0( (∑λi xai)+(∑λ'i xa'i) )⩾min(a1,a'1)=min(v0(u),v0(u')) 

 

0=v(1)=v(x)+v(1/x)なのでv(1/x)=-v(x)

x/y∈K-{0}に対して

v(x/y)=v(x)+v(1/y)=v(x)-v(y)と拡張するしかない

 

x/y,x'/y',a∈K-{0}に対して

v(x/y・x'/y')=(v(x)-v(y))+(v(x')-v(y'))=(v(x)+v(x'))-(v(y)-v(y'))=v(xx'/yy')

v(x/y+x'/y')⩾min( (v(x)-v(y)),(v(x')-v(y')) )=min(v(x)+v(y'),v(x')+v(y))-(v(y)+v(y'))⩽v( (xy'+x'y)/yy')

v( (ax)/(ay))=v(a)+v(x)-v(a)-v(y)=v(x/y)

 

よりwell-defined

 

任意のα∈Γについてv(x_α)=α

任意のu∈Kについてv(u)はv(Aの元の和)-v(Aの元の和)のように表わせるのでΓに含まれる

よってΓに一致

 

7章

4

i)

Sをz-a(ただし|a|≠1)の積で表せる積閉集合とすると

A=S^(-1)C[z]

C[z]はネーター環だから命題7.3よりAもネーター環

ii)

一見収束半径n以下の冪級数からなる部分集合がイデアルになりそうだが、ある冪級数に1を足しただけの冪級数も収束半径は同じなのでイデアルに1を含んでしまいこの方針ではできない

 

収束半径xとyの冪級数の加算および乗算によって得られるべき級数の収束半径はmin(x,y)以上になることに注意して解く

 

解法1

sin(πx/(2^n))を冪級数展開したものをfn(x)とおくとfn(x)の収束半径は∞

イデアルIn=(f1(x),…,fn(x))とおくと含まれる冪級数は全てx=2^nが零点になるのでfn+1(x)を含まない

よってI1⊂I2⊂I3…は停留的でないのでネーター環でない

f(x)の零点で発散している関数を掛けると零点でなくなることがあるので収束半径∞でない環の場合は上の議論は間違い

 

 

解法2

log(1+nx)を冪級数展開したものをfn(x)とおくとfn(x)の収束半径は1/n

イデアルIn=(f1(x),…,fn(x))とおくとこのイデアルに含まれる冪級数は上記の注意より全て収束半径が1/n以上なのでfn+1(x)を含まない

よってI1⊂I2⊂I3…は停留的でないのでネーター環でない

 

iii)

ii)の解法1と同様の議論よりネーター環でない

 

sin(πx/(2^n))を冪級数展開したものをfn(x)とおくとfn(x)の収束半径は∞

イデアルIn=(f1(x),…,fn(x))とおくと含まれる冪級数は全てx=2^nが零点になるのでfn+1(x)を含まない

よってI1⊂I2⊂I3…は停留的でないのでネーター環でない

 

iv)

A=z^(k+1)C[z]+C

このときC⊂A⊂C[z]であり

Cはネーター環、C[z]はC-代数として有限生成、C[z]はA加群として有限生成(1,z,z^2,…z^kで生成できる)ので命題7.8よりAはC-加群として有限生成

したがって系7.7よりAはネーター環

v)

A=zwC[z,w]+C[z]

イデアルIn=(zw,zw^2,…,zw^n)とすると

I1⊂I2⊂I3…は停留的でないのでネーター環でない